1月29日、第27回読書会が行われました。テーマは「詩歌」です。 昨今の状況を鑑み、オンラインとオフラインのハイブリッドで行われました。会場には8名(+ひさこん)、Zoomには9名と、約半々でした(Slack上の記録参照)。 今回はいつもと趣向を変えて、参加者が最大5つまでの俳句や短歌や歌(ポップスもOK)などを選び、一人一人順番が回ってきたときに一つを選んで紹介する、というものでした。この「発表会」に近い形式が、ハイブリッドなフォーマットとも相性が良かったようです。 歌を選んだ人の名前は伏せられつつ、「この5首を選んだのは誰でしょう〜」という感じで進められたので、出ている歌のセンスから、誰だろう…?と考えつつ聞いていくのも面白かったです。意外と分かるようで分かりませんでした。ただ、外れたとしても、そう思った理由を話すことで、また会話が弾んでいくのも楽しかったです。 オンライン組はチャットも活用しつつ、オフライン側は終了後も残って、短歌を作るボードゲームを楽しんだようです! ↓会場の様子 今回はオンラインとオフラインの参加者の方に、体験記を書いていただきました( ^∀^) 1) オンライン:まさいぬさん 今回のテーマが詩歌ということで、皆が選んだお気に入りの詩を順繰りに発表される仕掛けだ。発表内容に聞き入りなが、会話に混ざりながらも、オンライン組はチャットで、動画配信の生放送コメント欄みたいなノリでわいのわいの勝手なこと書き込んでゆく。だがたまにいいこと言ったりヤバいこと言ったりすると司会のひとに詳しく話してみてと引っ張り上げられる。 発表される詩歌の選定に関しては、私と同じく読書会に合わせて探した人、昔から好きだった詩を挙げた人、自作の詩を発表した人、 内容も壮大だったり、ちっぽけな日常だったり、ちょっとえっちなものまで様々だ。そこで私が選んだのがこれだ。 「ザンビアの銅延棒に腰おろしコカ・コーラ飲みし国境の町」 詠み手の地球科学者、諏訪 兼位が研究のためアフリカに赴いた際に詠んだそうだが、私は素直に本人の経験を詩にしたものかと受け取っていた。発表後、現地の労働者の日常に寄り添った詩に見えるといった別の解釈を聞くことができた。なるほど、聞き手によって別の解釈ができるところが詩の奥深さだ。それはときに詠み手の意図すら超えてしまうのだなと思った。 また、「日本でも中国でも月は見えるし、日本でもザンビアでもコーラ飲んだりしながら人々は生活している。そういう情景をすくい取れるのが詩だ」みたいな締めくくりをしてくれた人がいた。 銅延棒とコカ・コーラのパワーワード感にピンときて深い意味も考えずなんとなく選んでしまったこの詩でメンバーの感想や、メンバーの選んだ他の詩と併せながらまさかここまで話が広がるとは思わなかった。 2)オフライン:ほっけさん 初めまして、今回の新宿読書会に参加しましたほっけと申します! 新宿読書会参加歴2回である僕が、オフラインでの体験談をお伝えします。 はじめに皆様は「詩歌」を日頃嗜まれていますか? 今回テーマが詩歌ということで、僕自身は全然触れていないジャンルでした。 金子みすずさんの詩が、心でこだまするのを辛うじて感じられるレベル。 1人ずつ紹介したい詩歌を持ち寄り発表する為、僕は当日の昼に本屋へ向かい急いで選歌。そのまま会場へ。ギリギリで生きている方も参加できます。 オフラインでは10名が新宿某所に集まり、用意していただいた詩歌ペーパーを手元にキャッキャと発表しました!(皆さんマスクを付け、休憩時の換気もしっかり) 僕が発表した詩はこちら 「アルフォート工場勤務二十年上級天使キャメロン・ディアス」 木下龍也『君を嫌いな奴はクズだよ』書肆侃侃房、2016年、20頁 こんな「詩」ありなんですか???!!心の中のみすずも卒倒。 昼に読んだ時爆笑し、その勢いのまま発表しました。 「上級天使は何かの隠語?」「キャメロンディアスは渾名なのでは?」自分では考えつかない意見が続々飛び出し、この詩に対する深みが増すばかり。 他の方の発表も合わせ、この1日で詩歌の面白みが急に感じられるように。 触れていないジャンルと向き合えるのは、読書会の良いところの1つ。 知識があろうとなかろうと、みんなで楽しめるのはすごいことですね。 主催者のひさこんさんや、参加メンバーの方々に感謝。 オンオフ交え進化し続けるであろう新宿読書会、今後の活動も楽しみです! ↑メンバーが持ってきてくれたボードゲームの説明
ちなみに筆者は、古今和歌集に掲載されている阿倍仲麻呂の 天の原 ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出し月かも について話しました。当時の日本は技術や文化、思想を学ぶために遣唐使を派遣していました。途中で亡くなる人も多かったようです。仲麻呂は唐の皇帝に気に入られ、帰国しようにもできませんでした。帰国の許可が出て、数十年ぶりに帰国する…はずが、途中で船が難破し断念。結局、唐で生涯を終えます。 元々は国語の教科書や資料集に載っていたこの歌、小学生の頃と大人になった後では、感想が変わってきます。筆者はこの歌を数年ぶりに見た際、海外で生活してた時に、2年ほど日本に帰りたくても帰れない時期があり、その時に本当に日本が恋しくなった気持ちなどを思い出しました。 また、今はコロナで気軽に旅ができなくなり、以前訪れた場所が恋しく思い起こされる…という人もいるのではないでしょうか。 次回の読書会は2月26日土曜日、昼からの予定です!
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活動記録このページでは、新宿読書会のさまざまな活動を記録していきます。メンバーの方に適宜依頼もしつつ、主にKuniが執筆を担当。 Archives
December 2022
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