2月26日、第28回読書会が対面+オンラインで開催されました。 対面は新宿のレンタルスペースで、オンランはその後Zoomでと、別々に行われたのが今回の特色です。 それぞれの回で、話題の中心は少し異なったようです。 以下、参加された方の体験記を見てみましょう!
「ふむふむ」と読み進めていき「ほうほう」という中盤で「ナールほど!」と手を打ったところでいつの間にか物語が終わってました。 正直なところ、この本を読んだ後は「ふーん」という感想しか湧かず、読書会が始まる十分前にようやく読み終えた体たらくな私は感想がいまいち湧かないことに焦りを感じていました。何かあるはず、何か思うことがあったはず、と残された10分とちんけな脳みそをフルに使ってがむしゃらに考えました。いくら考えるポーズをとってみても頭の中は空っぽ。自分の感受性のなさを呪っていたような気がします。10分しかないのに。血迷った挙句、何か聞かれたらいっそのことびっくりするほど感想がありませんでしたと正直にこたえちゃおうかとも思ったほどです。どんな意見でも歓迎してくれるところが新宿読書会の最大の魅力だと思うし、それもアリだなあと正当化しようとしていた束の間、私の頭の中で咄嗟に「松尾」という登場人物が浮かびあがりました。松尾…、松尾…、作中でサっと現れ、しれっと消えていったアノOL。起承転結でいうとちょうど転あたりだったような。思い返せば、そのあたりから、なんだったんだアイツという些末な疑問がずっと頭の片隅で突っ立っていたような気がします。 いよいよ読書会が始まり様々な意見が一斉に飛び交いました。恋ってなんなのよ、という根本的な話から、寄生虫は情報のメタファーなのでは?など深掘りした考察まで。まさに十人十色。十人十色かつ面白い話題が画面上で行き交い、率直にとても面白かったです。読書会では毎度毎度自分では思いつかなかった視点がぽんぽんと頭の中に放り込まれ、それが徐々に膨らんでいき終わる頃にはググッと視野が押し広げられている感覚があります。参加している方の深みのある考察、意見を聞くたびにその感覚を覚え、クセになります。 そんな中、自分は謎のOLの話しか持ち出せないなんていやはや…。己の不甲斐なさを思わず感じてしまいました。自分の話題が持ち上がったのは最後の方で「松尾さん」という単語にみんなポカンとしていました。あまりの存在感のなさだったのでしょう。存在感のなさで言ったらピカイチだったみたいです…。いまいち膨らまない感想をいってしまった後悔で固唾を飲んだ矢先、ある方が作者の人物の描き方、なぜこの人を登場させたのか、他の人物の描き方は果たしてどうだったか、というところに注目しました。たしかになぜここまで存在感の薄い人物をあえて入れたのだろうと自分の中でもモヤモヤしたものが意見を交換するうちにどんどん輪郭を表し始め、ふとした思いつきで投げてしまった感想から思わぬ方向で考察が膨らんでいきました。内心ホッとしたと同時にこの本の深みに気づくことができ、作者の人物の描き方の癖を考えたりと、一人の登場人物から他の登場人物まで、もっと色々話してみたいと思うことが沢山できました。気がつくと読書会も終盤に差し掛かり、一冊から生まれた無数の考察と感想がチャット欄に跡を残していました。ふとした小さな感想が大きく枝分かれした痕跡を見ると毎回、読書会に入ってよかったなと思います。 読後、あっさり受け流していたかもしれない一冊が本棚の中で特別な一冊に変わるのは本当に読書会の大きな魅力の一つだと思います。どんな小さな感想や意見、考察でも自分が感じたことを誰かと話すのは、月並みの言葉ですが作品の幅を大きく広げてくれるのだと思います。あと何より楽しい。これに尽きる。 参加メンバーの方々、運営していただいているひさこんさん、いつもありがとうございます。参加を考えている方で一冊の本から感じ取ったことを誰かと共有したいと思ったら、ぜひ新宿読書会ででそれを聞かせていただけると嬉しいです!
今回の課題本は『恋する寄生虫』ということで、この作品中にも登場する「目黒寄生虫館」に読書会直前に行ってきました。 実際に行ってみると、想像していたよりはこじんまりとしていて、照明が明るかったですね。作中にも表記がありましたが、意外とカップルばっかりだったのは驚きました。リア充b… こうやって本やアニメなど作品に出てくる場所や建物に、実際に行くのが割と好きで、自分の思い描いた感じと実物との違いを楽しむのが好きです。これからの課題本でも、登場する場所や建物にはガンガン行ってみようとと思ってます。同伴者は随時募集です。※ さて、読書会ですが、自分はオフラインに参加しました。参加者が挙げた気になるキーワードがまとめてみると、やはり「自我とは」や「ラストシーン」が気になったようです。はたして、これはハッピーエンド?バッドエンド?十人十色の回答で興味深いものとなりました。 また「虫による恋はアリか?」という質問で、大きく意見が分かれたのは面白かった。私が思うに、この回答は今までの恋愛経験で変わると思うので、もっと深く議論したかったです。 今回は三名が初顔合わせでした。毎回のように初めてお会いする方がいるので、読書会が毎回樹木みたいに成長している感じが喜ばしい限りです。 ざっと見た感じ、今回のオフライン参加者のほぼ全員は「本の虫」に重度寄生されてるので、また「本の虫」の導きのもと、読書会で皆さんに会えることを楽しみに思います。
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活動記録このページでは、新宿読書会のさまざまな活動を記録していきます。メンバーの方に適宜依頼もしつつ、主にKuniが執筆を担当。 Archives
December 2022
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